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椎間板ヘルニアとリハビリテーション

こんにちは
先日無事水中トレッドミルが搬入されました。
こちらについての話もしたいのですが、また次回にさせていただいて…

今回は「椎間板ヘルニア」についてお伝えします。

椎間板ヘルニア とは?
ダックスやコーギーの飼い主さんはよくご存知の病気かもしれません。


                                                     出典:https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/917

 
椎間板とは、椎体(背骨)と椎体の間にあり、クッションの様な役割をしている組織です。
 
左の図は脊椎(背骨)を横から見た図ですが、白いのが1つ1つの椎体、下にある間の赤いのが椎間板、
脊椎の間をまっすぐ通っている赤いのが脊髄(神経)です。
 
右の図は正面から椎体と椎間板を見た図です。
簡単にいうと、椎間板ヘルニアとは右の図のように、椎間板が何らかの原因によって飛び出してしまい、
上にある脊髄を圧迫してしまう疾患です。
 
脊髄は脳からの指令などを全身に伝えている神経の集合体です。
そのため、脊髄が圧迫されると、その情報がうまく伝わらなくなってしまい、
その結果、痛みや麻痺といった症状が起こります。
 
治療は、病気のグレードにもよりますが、
・安静にする
・薬を使っての内科療法
・外科手術により、圧迫を取り除く
・鍼治療
・リハビリテーション
などの組み合わせによって行います。
 
治療の結果、完全に機能が回復することもあれば、麻痺などが残ってしまうケースもあります。
 

椎間板ヘルニアに対してリハビリでできることは、
 
・痛みの緩和
状態にもよりますが、温めたり、電気治療によって、痛みを緩和することができます
 
・機能回復の補助
手術後の回復を早めたり、正しい回復に導くことができます。
何もしなくても、歩行できるようになる子もたくさんいますが、
正しい足の位置ではない姿勢や歩行の状態で回復してしまっているケースも多く見られます。
できるだけ「正常」な位置での回復をサポートしてあげることが今後のQOLにつながってきます
 
・麻痺の改善のための補助
麻痺とは神経の伝達がうまく行っていないことから起こります。
麻痺している部分に電気刺激を与えることにより、回復を図ります。
ただし、残念ながら脊髄の損傷具合によっては、回復しないこともあります。
 
・マッサージなどによる、他の部位への負担の軽減
椎間板ヘルニアに罹患してしまうと、姿勢や歩き方が通常とは変わってしまいます。
それにより、他の部位への負担が大きくなってしまうことがあります。
その子の姿勢などから、負担となっている部位をほぐしてあげることで、
たとえ麻痺が残っていたとしても、動きやすい体をキープする助けとなります。
 
・補助具の使用
サポーターやコルセット、車椅子を使用することで、QOLを維持、改善する助けとなります。
 

このように、椎間板ヘルニアについては
術後の回復の補助だけでなく、症状が残ってしまった場合でも、
今後の生活をより良いものにするために、リハビリテーションは関与することができます。
 
「麻痺が残ってしまったけど、なんとなく歩けてるからいいや…」
「これ以上治ることはないし…」
と、終わってしまう前に、維持するためにもできることはあります!

 
先日お伺いした広島県のさくらペットクリニックさんでも、
椎間板ヘルニアの術後2ヶ月経過しているダックスさんのリハビリ診察を行ってきました。
 
2頭いたのですが、
どちらのダックスさんも、少し麻痺が残っている状態でした。
ですが、元気いっぱいで、時々引きずりながらも走ったり、歩いたりしていました。
すでに手術から2ヶ月が経過していますし、
今の状態から劇的に良くなることは2頭とも可能性は非常に低いです。
ですが、
「足をきちんと使用すること」
「負担になっている他の部位をケアすること」
「筋力をできるだけ低下させないこと」
を継続した方が今後より良い生活をおくることができるというお話とアドバイスをしました。
1頭の子はナックリングも多かったので、サポーターについても提案しました。


 
治らなくても、
正しい姿勢を意識させることで、他の部位への負担を減らせたり、
より正常に近い姿勢や歩き方をすることができるようになったりします。
 
「治す」ことはできなくても、「何かできること」はありますので、気になる方はご相談ください。

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