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膝蓋骨脱臼とリハビリ

こんにちは
毎日暑い日が続きますね🥵
こう暑いと、人も動物も外に出るのはしんどいですし、
運動不足になりがちにです…。

オリンピック選手に負けないように
(…は言い過ぎですが)
「体力維持」「免疫維持」のためにも、
室内でできる運動をして、

今年の夏も乗り切りたいですね…

さて、今回は『膝蓋骨脱臼』とリハビリについて
お伝えしたいと思います。

膝蓋骨脱臼(動物病院ではパテラと呼ばれることが多いです)は、
名前の通り「膝蓋骨」という骨が「脱臼」してしまう病気です。
(ちなみにパテラ(Patella)自体が膝蓋骨を示す単語です)
基本的には犬特に小型犬に起こることが多い病気です。

膝蓋骨とは、膝の部分、
図の赤矢印の先にある小さな丸い骨。

    

人では 膝のお皿 と言われる骨です。

この膝蓋骨、正面から見ると、
下の図の左側(正常)ように太ももの骨(大腿骨)の上にのっていて、
膝のスムーズな曲げ伸ばしには欠かせない骨です。

右側が脱臼した状態です。
本来溝の上にはまっているはずの骨が、乗り越えてしまっています。
内側に乗り越えれば内方脱臼 
外側に乗り越えれば外方脱臼 と呼ばれます。

脱臼してしまうと、どうなるか…
簡単にいうと曲げ伸ばしがしにくくなってしまい、
時々後ろ足を上げる、
スキップする
といったような歩き方、走り方の異常につながります。
ひどい場合には骨の変形につながってしまうこともあります。

外れ度合いによってグレード分けをされ、
このグレードと症状、骨の変形度合いなどを総合的に判断して、
手術をするかどうかを決めることが多いです。
もちろん手術にあたってはリスクなどもあるため、担当の先生とよく相談する必要があります。

痛みを感じることが少なく、小型犬などでは
普通に歩けているように見えることも多いので、
特に薬や治療、手術の必要もなく、
「体重を増やさないように指導される」
「経過観察で、症状が出てきたらその時また考える」
「関節保護のサプリメントを勧められる」
といったケースが多いです。

と、ここまでは一般的な膝蓋骨脱臼に対する話…
ここにリハビリ的な見方を追加していきます。

①一般的な診察においてもグレードが高く、症状が出ているケース
  
 正直リハビリでどうこうできるものではありません。
 リハビリは治療の代替法ではないので、
 基本的に手術をお勧めします。
 手術後の回復期には足をきちんと使えるようにサポートしていきます。

②グレードは高いが、症状はあまりなく、歩けているように見えるケース

 一番迷うケースです。
 なぜなら、「症状が出ていないし、歩けているから
 わざわざ手術をする必要はない」
 という考え方が理解できる一方で、
 実際には「悪い方の足をあまり使用していない」事が多いのです。
 そのため、パツパツに筋肉が張っていたり、
 反対側や前肢に負担がかかっていたり、
 カバーするために体の歪みが出てきていたり  
 します。

 私は人の肩こりで話をすることが多いのですが、
 肩こりがある人を外から見て「あの人肩痛そうだな」
 とはおそらく思わないと思います。
 ただ、本人はそこの違和感を感じているし、
 関連した頭痛に悩まされることがあったり、
 姿勢の歪みにつながって腰も痛くなったり…
 と小さな体の不調につながります。

 これを「症状なし」と言えるのかどうか…  
 が悩むところです。
  
 リハビリでは筋肉の張りや、負担のかかっている
 ところへのケア、膝周囲の筋力強化
 といったアプローチをしていきます。
 ですが、膝が外れた状態で行うと、負担をかけすぎて逆効果になることもあるのです😭
 そのため、
 ・膝蓋骨の位置を正しい位置に直した状態で行う
 (手で保持したり、サポーターを利用したり)
 ・膝への負担が少ない方法で行う
 ことになります。
 なので、どうしてもできることが限られてしまいます。
 
 手術して、位置を戻してからの方ができることも増えるけどなぁ…   
 と飼い主さんにもお伝えします。

 もちろん、手術が全てではないですし、
 さまざまなリスクもありますので、しないならしないで、
 上記のようなことに注意をしながら、
 少しでも本人が快適に過ごせるように
 サポートしていきます。

③グレードが低く、症状も認めないケース
  
 このケースでは、②ほどではないですが、
 多少庇ったりすることでの歪みなどを認めることもあります。
 それがない場合でも、今後そうなってくる可能性はありますので、
 予防としてのアプローチをしていきます。
 実施することは②と大きな違いはありませんが、
 位置のずれがない状態で行うことができますので、
 ②よりもできることの幅が広がります。

 このケースにおいては、早期に対応することが
 今後のためにも良いですね😊

この「膝蓋骨脱臼」であると診断されている子はとても多いと思います。

そのなかで「様子見」をしている子もたくさんいるのではないでしょうか?

・何かできることはないか/してあげられることが知りたい
・良かれと思ってしていた運動、大丈夫かな?
・うちの子大丈夫だと思っていたけど、張りや歪みが出てきていないか気になる
・今は大丈夫だけど、どんなところに張りや歪みが出るのか知りたい
・膝の悪い子でもできる運動が知りたい
・サポーターってどんなのか気になる

などありましたら、一度ご相談ください。
一部のサポーターについては実物を見ることや、短期間のレンタルも可能です。
(レンタルに関しては獣医師が必要と判断した場合に限ります)

まだまだ夏はこれから☀️
暑い日が続きますので、人間も、犬猫も、
他の動物たちも体調に気をつけてお過ごしください。

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